若い頃師事してたバーテンダーがよく言ってた。
「あいつはいいやつだよ。でもな柳田、”いいやつ”ってだけじゃダメなんだ。」
それから俺はずっと、いかに「いいやつ」で終わらないかを考えてきた。
この主人公、相田大樹改め有森樹季がその答えのひとつだな。
この本、おもしれーよー。
主人公がいいやつだけど悪いやつで、能力高くて執念深くて。
文豪の東十条じいさんには共感しまくり!年寄りも捨てたもんじゃないよ。
おもわず、キャバクラで「夜霧よ今夜も有難う」を歌っちゃったら若いキャバ嬢はポカンとしてた。石原裕次郎を歌う客はもういないんだね。
去年、BARが開くまで時間つぶしに入ったすずらん通りの東京堂書店で「山の上ホテル物語」を買って読み始めたばかりなのに、酒が入って調子にのってバーテンダーに本でも読めよ!ってあげてしまった。いったい何様なんだ俺は。(これを俺様っていうのか?)そのうちまた手に入れて読もう。
私にふさわしいホテル 柚木麻子
まあ、読み終えて元気が出る本だ。読めてよかった。